外為特会より日銀保有株
筆者は、外為特会を使うのは為替介入と同じことになって、為替マーケットの攪乱要因になることが心配される。
この含み益を使おうとして、米国の長期国債を大量売却することになれば、前述の通り国際問題に発展しかねない。
実のところ、外為特会の資金は、ほんの一部が毎年のように一般会計に戻入されている。
2022年度は2.8兆円、2023年度は2.0兆円、2024年度は3.2兆円である。
その中には防衛増税に流用されたものもある。
為替市場に大きな思惑を与えないように、政府はこっそりと外為資金を動かしているのが実情だろう。
それよりも現実的なのは、日銀の保有株式を一旦、国家ファンドに移管しておいて、売却する方法である。
移管時に簿価(取得価格)にしておけば、時価で売却するときに相応の実現益が得られる。
現状、日銀は年間僅か3,300億円ずつ売却する方針である。
おそらく、ここには日銀が政治的に株式含み益を当てにされたくないという意識が働いている可能性もあろう。
日銀の発表資料に基づき日銀保有株式の簿価を計算すると、日経平均株価で18,957.73円になる。
もしも、これが日経平均株価54,000円であれば、簿価37.2兆円(日銀毎旬報告1月末)だから、含み益は68.7兆円にも達する。
各政党ともこの資金を利用したいと考えるのは当然のことだろう。
現在の年間3,300億円(簿価)という売却ペースでは、年間6千億円程度しか含み益を政府は利用できない(売却時株価54,000円の想定)。
他の収益をも併せた日銀の国庫納付金は、2022年度19,831億円、2023年度21,728億円、2024年度21,510億円と約2兆円で推移している。
各政党が、日銀のマネーを財源にしようとするのならば、ここのルールを議論する必要がある。