イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)のマン委員は9日、トランプ米大統領による貿易戦争が英国のインフレ要因になっているとの見解を示した。中国が米国の関税による影響を補うため、英国向けの輸出価格を引き上げていることが背景にあるという。

マン氏はカリフォルニア州で開催されたグローバル・インターディペンデンス・センターのイベントで、中国が米国以外の国・地域に輸出を振り向けることで英国にデフレ圧力がかかるとの見方を否定した。

イングランド銀行金融政策委員会のマン委員

マン氏は約3000億ドル(約47兆円)規模の関税引き上げにもかかわらず米国でインフレが急加速していない要因として、「米国への輸入品価格が下落しているためだ」と指摘。「これに対し、他国・地域はより高い価格を支払わされている。それは英国にも当てはまる」と述べた。

中国は昨年、自国製品に対して米国が大幅な関税を課して以降、対米輸出を減らしている。マン氏は、中国が重要な輸出市場である米国で存在感を維持するため価格を引き下げたと主張。貿易データを引き合いに「米市場向けの価格は下落し、他市場向けの価格は上昇している」と述べた。

昨年4月にトランプ氏が貿易戦争を開始した直後は、中国が米国向け製品を他国に回し、他の市場に中国製品があふれることで物価が下がるとの見方がエコノミストの間で多かった。

マン氏によると、英中銀は、米中貿易摩擦が英物価を押し上げるとの想定を最新の経済予測に反映させた。予測は輸入価格がインフレ要因となっていることを示している。

原題:BOE’s Mann Says China Is Raising Export Prices Due to US Tariffs(抜粋)

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