人工知能(AI)がソフトウエア業界に与える破壊的な影響が懸念されるなか、マイクロソフト株がここ1週間足らずで2度目の投資判断引き下げに見舞われた。

メリウス・リサーチは9日、同社株の投資判断を「買い」から「ホールド」に引き下げ。設備投資や業務用ソフト「マイクロソフト365」のAI支援機能「コパイロット」製品への懸念を理由に挙げた。先週後半にはスタイフェルも同様に投資判断を引き下げており、クラウド事業「アジュール」の成長ペースに警鐘を鳴らしていた。

メリウスのアナリスト、ベン・ライツェス氏は「アンソロピックの『コワーク』の台頭などを背景に、主力製品であるマイクロソフト365製品は厳しい状況に置かれ、競争力を維持するためにコパイロットを無償提供せざるを得なくなるかもしれない。そうなれば、最も収益性の高い生産性部門の成長と利益率が損なわれる」と指摘した。「こうした現実はアジュールの社内リソースも圧迫し、同事業での業績上振れ余地も制限されるだろう」と述べた。

ライツェス氏によると、マイクロソフトは「進むも退くも不利な状況」にある。アルファベットやアマゾンに追いつくためには「設備投資を大幅に増やす必要」があり、フリーキャッシュフローは「さらに打撃を受ける可能性がある」。一方で、今すぐ支出を増やさなければ「実行面の問題を反映しているか、利益を調整する必要性を示していることになり、どちらも好ましくない」と同氏は指摘した。

さらにAI投資が見合うだけの成果を生むのかについても懸念を表明。「当社では『AI機能に追加で支払う』モデルは成り立たないとの見方を強めている。コパイロットは無償で組み込まれる必要があり、長期的にはコスト増につながるだろう」と記した。

目標株価は430ドルに引き下げた。これはウォール街の中でも最も低い部類に入る。

それでも、ブルームバーグが追跡するアナリストの約96%はマイクロソフト株の「買い」を推奨。残りは「中立」に相当する判断で、「売り」はゼロだ。目標株価の平均は600ドル強で、現在の株価から約50%の上昇余地を示唆している。

 

原題:Microsoft Hit With Second Downgrade as Melius Warns on AI Risks(抜粋)

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