マレーシアで7日、データセンター建設に反対する同国初の抗議活動が起き、人工知能(AI)主導で進む建設ラッシュに対する懸念が顕在化した。

南部ジョホール州の住宅地に近いデータセンター建設現場近くに50人超が集まり、粉じん汚染の停止と、健康被害が生じた場合の補償を求めた。抗議活動の参加者は、この施設が水の供給に影響を及ぼす可能性にも懸念を表した。

参加者らは、ゲラン・パタにある4つの住宅地の約1000人の住民を代表していると述べた。最寄りの住宅から1キロ弱しか離れていないこのプロジェクトは、中国のZdata向けに開発が進められている。開発業者は抗議参加者と面会せず、数十人の警察官が見守る中、抗議活動は約90分後に終了した。

マレーシアは東南アジア最大のデータセンター拠点として台頭しており、オラクルやアマゾン・ドット・コム、アリババグループ・ホールディング、バイトダンスなど、AIサービスの利用拡大に伴い、より多くのデータ保存・処理能力を必要とする企業を引きつけている。比較的低コストで信頼性の高いインフラに加え、シンガポールなどのビジネス拠点に近いこともあり、ハイテク大手が同国に狙いを定めている。

Zdataと、不動産開発会社トロピカーナ傘下の地元プロジェクト開発業者トロピカーナ・ファーストワイドはコメント要請に応じなかった。

ゲラン・パタのプロジェクト用地は異例に住宅地に近いが、完成済みや建設中のデータセンターの大半はプランテーション跡地や工業専用地など、住宅地から離れた場所にある。

ジョホール州は2022年以降、マレーシアのデータセンターブームの中心地となっており、25年半ばまでに承認されたデータセンター投資は1644億5000万リンギット(約6兆4400億円)に上る。これにより同州は東南アジアで最も成長の速いデータセンター拠点となった。

Zdataは25年初めにゲラン・パタのプロジェクトに着工した。昨年末にかけて問題が表面化し、地元当局が施工基準の不備を理由に2週間の工事停止命令を出した。工事が進むにつれ、地元住民は建設に伴う粉じん汚染への懸念を表明し始めた。

プロジェクトを監督する州当局者も、コメント要請に応じなかった。

住民はまた、将来についても懸念を抱いている。Zdataは24年にトロピカーナから購入した38エーカー(約15万4000平方メートル)の土地にデータセンターを建設しているが、その隣にはトロピカーナがNTTデータグループにデータセンター用として売却した68エーカーの用地がある。この建設はまだ始まっていない。

マレーシアでの抗議活動は、データセンターがインターネットやChatGPTの利用を支える上で不可欠な存在であるにもかかわらず、世界各地で社会的不安が高まっている状況を象徴している。米ミシガン州では、500エーカー超の農地に大型AIインフラプロジェクト「スターゲート」のデータセンターキャンパスを建設する計画に住民が反対している。

原題:Malaysia Draws First Data Center Protest Over Pollution, Water(抜粋)

--取材協力:Gao Yuan.

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