(ブルームバーグ):ヘッジファンド業界が2009年以来の好成績を記録し、新たな資金流入が見込まれるにもかかわらず、新規資金の受け入れを拒むファンドが相次いでいる。
事情に詳しい関係者によると、スイスのヘッジファンド、アダプト・インベストメント・マネジャーズは、2月に入り新規資金の受け入れを停止した。運用資産は約20億ドル(約3140億円)に拡大していたという。2025年には16%近い運用成績を上げたと、関係者は付け加えた。また英国拠点の株式運用ファンド、グリーンベール・キャピタルとボールドヘーブン・マネジメントも、新たな資金を受け入れない方向で準備していると、別の複数の関係者が明らかにした。関係者は全て、非公開の情報だとして匿名を条件に語った。
グリーンベール(運用資産約18億ドル)は、10年以上に及ぶ運用の大半で新規資金の受け入れを制限してきたと、関係者の1人は述べた。元シタデルの株式運用担当者ブルース・エマリー氏が率いる同ファンドは、1-3月(第1四半期)中に再び資金受け入れを停止する見通しだ。25年には、住宅用太陽光発電や風力関連サービス企業への投資が奏功し、約21%のリターンを記録していた。一方で、ボールドヘーブンが新規資金の受け入れを停止するのは今回が初めてだという。
各ファンドの担当者はいずれもコメントを控えた。
ヘッジファンド業界には25年、総額1160億ドルの純流入があり、これは07年以来の高水準となる。26年のヘッジファンド展望に関するバンク・オブ・アメリカ(BofA)の調査では、投資家の過半数が配分を増やす意向を示しており、ヘッジファンドは最も人気の高い資産クラスとなっている。

ゴールドマン・サックス・グループはリポートで、「近年、多くの運用会社が高い運用成績や資産拡大を達成した結果、主力戦略に関して新規資金の受け入れを停止するケースが増えている」と指摘。その上で、「これはヘッジファンドへの投資を拡大しようとする投資家にとって逆風となるほか、前向きな市場心理にもかかわらず運用資産の拡大を抑制する可能性がある」と分析した。
投資家と資金が業界大手に集中する中、大規模ヘッジファンドの多くは膨らむ資産を運用するため、経験豊富なトレーダーを常に必要としている。新規資金の受け入れ制限は、かつては大手特有の対応だったが、顧客の関心の高まりを受け、規模の小さい運用会社も成長を抑制する措置を取らざるを得なくなっている。
原題:Hedge Funds Say No to New Cash Just as Clients Rush to Allocate(抜粋)
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