(ブルームバーグ):2025年12月に欧州で販売された乗用車のうち、中国の自動車メーカーのシェアは9.5%と過去最高に達した。ハイブリッド車(HV)と電気自動車(EV)の好調な販売を背景とする中国勢の急成長を印象づける形で1年を締めくくった。
自動車市場のデータ分析をするデータフォースによると、中国ブランドは四半期ベースで初めて、起亜自動車などの韓国勢を上回った。比亜迪(BYD)をはじめとする中国勢は、貿易障壁の緩和や中国からの輸出拡大を追い風にさらなる浸透を目指している。
中国勢の台頭は、欧州市場で成長の柱となっている電動車分野で顕著だ。バッテリー技術の優位性を生かし、英国、スペイン、ギリシャ、イタリアなどでEVやHVの顧客を獲得している。

データフォースのアナリスト、ジュリアン・リッツィンガー氏は「南欧で中国車が急速に受け入れられていることに驚いた」と語った。「これらの国々ではブランドに対する柔軟性があるとは分かっていたが、EVでここまでとは予想していなかった」とした。
ブルームバーグの分析によると、中国ブランドが欧州の電動車市場に占めるシェアは12月で16%となった。年間では25年で11%と24年から倍化した。BYDや上海汽車(SAIC)に加え、浙江飛濤汽車技術や奇瑞汽車も大きく台数を伸ばした。
テスラ、フォルクスワーゲン(VW)、BMW、ルノーなど中国系以外のブランドが域内に輸入した車両を含めて集計した場合、25年に欧州で販売された電動車のおよそ7台に1台が中国製だった。
雇用問題
中国ブランドの台頭は、欧州の自動車産業が直面する深刻な圧力を浮き彫りにしている。欧州の自動車産業は1300万人超の雇用を提供し、経済の安定を下支えする基幹産業だ。米国の関税政策や中国市場でのシェア縮小に直面する欧州ブランドは、域内での課題も大きくなっている。

イタリアの部品メーカー、ブレンボの幹部でイタリア自動車工業会(ANFIA)の代表を務めるロベルト・ヴァヴァッソーリ氏は「中国車の欧州進出の勢いはすさまじい」と語る。緊急対策を講じなければ、過去18カ月間で欧州全体で失われた11万人超の雇用を取り戻すことはできないとし、「業界の存亡がかかっている」と述べた。
だが、中国勢の勢いは止まりそうにない。中国の自動車メーカーは、国内での生産過剰や米国市場からの締め出しを受け、欧州展開を一段と強化している。BYDは24日、中国国外での販売を26年に約25%増やす計画を明らかにした。
前出のリッツィンガー氏は「中国勢の欧州での台頭によって、他の一部ブランドは撤退を余儀なくされるだろう」と述べた。販売台数が依然として新型コロナウイルス禍前を回復していない中で、「中国勢は大きなシェアを奪い、他社にとって息苦しい状況を生んでいる」とも語った。
原題:One in 10 Cars Sold in Europe Is Now Made by a Chinese Brand(抜粋)
--取材協力:Jamie Nimmo、Daniele Lepido.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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