ベッセント米財務長官は28日、米国が外国為替市場でドル売り・円買い介入を検討しているとの観測を打ち消し、従来の「強いドル政策」を維持していると強調した。

CNBCとのインタビューで、ドル・円相場への米国の介入について質問され、「絶対にしていない」と答えた。そうした措置を取る可能性があるかとの質問に対しては、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」と語った。

発言を受け、円は対ドルで下げを拡大し、一時153円79銭をつけた。前週末23日には、米財務省の指示でニューヨーク連銀がドル・円相場についてレートチェックを行ったと伝わり、米国が日本政府と協調してドル売り・円買い介入に動くとの観測が強まっていた。

ベッセント氏は「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」と指摘。「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」と述べた。

前日には、トランプ米大統領が足元のドル下落について容認する姿勢を示していた。ドル安を懸念しているのかと記者団に問われたトランプ氏は、「いいや、素晴らしいと思う」と発言。さらに「ドルの価値については、われわれが行っているビジネスに目を向けてほしい。ドルは好調だ」とも述べた。

ベッセント氏は「トランプ大統領の下で『ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル(大型減税・歳出法)』や規制政策を通じ、事業を立ち上げるのに最適で、かつ税制や規制、エネルギーに関する確実性を備えた環境を整えている」と語った。

また米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだとも指摘した。

ドル売りに歯止め

ベッセント氏の発言前、外国為替市場ではドル急落に備える動きが広がっていた。

トランプ氏の発言後、1.1%余り下落していたブルームバーグ・ドル・スポット指数はベッセント氏の発言を受けて持ち直し、ニューヨーク時間午前終盤時点で0.6%高で推移している。

DZバンクの為替・金融政策責任者のソーニャ・マーテン氏は「ベッセント氏は、神経質になっていた市場を落ち着かせようとしているように見える」と指摘。「米国が全体としてドルの弱含みを歓迎する可能性はあるものの、ドルの急激な下落は明らかに自国の利益にはならない」と述べた。

JPモルガン・チェースの為替ストラテジスト、パット・ロック氏は「ベッセント氏による非介入の発言は、さらなる口先介入や実弾介入そのものの可能性を排除するものではない」と指摘。「一方で、長期的には米国だけでなく日本を含む広範な国・地域において、適切なファンダメンタルズを整えることが外国為替市場にとって重要だとの中核的な立場を改めて示した」と述べた。

一方、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのマーケット戦略グローバル責任者、エリアス・ハダッド氏は「円相場の大局的な見通しは、介入の有無にかかわらず強気だ」と指摘。「成長率が借り入れコストを十分に上回っていることを踏まえると、日本の放漫財政を懸念する声は行き過ぎだ」と述べた。

原題:Bessent Says US Hasn’t Intervened in Yen, Touts Strong Dollar、Yen Plummets After Bessent Ruled Out Currency Intervention、Bessent Touts a Strong Dollar After Trump Brushed Off Its Drop(抜粋)

(チャートを差し替え、第10―11段落にアナリストのコメントを追加して更新します)

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