トランプ米大統領は過去3週間足らずに、4件の大規模な関税措置を相次いで警告した。通常であれば、投資家を動揺させ、企業の最高経営責任者(CEO)を不安にし、エコノミストが対象国の成長見通し修正を急ぐ事態になっていただろう。

しかし実際には、金融市場も企業の経営幹部層も、イランの貿易相手国やグリーンランドの支持国、カナダ、韓国を巡るトランプ氏の直近の脅しをおおむね受け流している。交渉上の駆け引きや相手の態度変更を狙った発言に過ぎず、実行に移されることはないとみているためだ。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の最新分析によると、「Trump Always Chickens Out=トランプ氏はいつも尻込みする」という見方は、必ずしも当てはまらない。より正確には、トランプ氏が実行したのは全体のおよそ4分の1にとどまっている。脅しの約43%は撤回されており、この中にはトランプ氏が「勝利」を主張したケースもあれば、まだ発動されていないものもある。

BEのニコール・ゴートンカラテッリ、クリス・ケネディ両氏は、2024年11月の大統領選から今月25日までにトランプ氏が警告した49件の関税、あるいはトランプ政権が新たに開始した通商調査を検証した。集計には韓国への新たな関税警告は含まれていない。その結果、脅しの過半数は全面的には実施されていないことが分かった。

トランプ氏による関税の脅しがその後どうなったか、内訳は以下の通り:

49件の発表を時系列で見ると、全面的に実施されたもの、または調査段階に入ったものの大半は2月から9月に集中している。

月間の内訳でも、トランプ氏の脅しは昨年末にかけて下火になった。アフォーダビリティー(暮らし向き)を巡る懸念が世論調査での支持率低下につながったことが背景にある。

「このパターンは必ずしも一貫しているわけではない」とゴートンカラテッリ、ケネディ両氏はリポートで指摘。「総じて見ると、トランプ氏は最も注目を集めた脅しについては撤回してきた。それらは米国の実効関税率を大幅に引き上げたり、中国との貿易休戦を脅かしたりするものであることが多い」と説明した。

原題:TACO Tracking: Trump Carries Out One in Four Tariff Threats (1)(抜粋)

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