2期目のトランプ政権は発足から1年が経過した。トランプ大統領は政策公約に従って関税政策や厳格な移民政策を推進するとともに、25年7月には減税・歳出法(OBBBA)を成立させるなど、主要な経済政策で一定の成果を挙げた。

関税や移民政策という逆風にもかかわらず、米国経済は堅調な成長を維持しており、インフレ率や失業率も当初懸念したほどの悪化はみられていない。

背景には、関税の一部引き下げや適用除外の拡大が進んだほか、企業の価格転嫁も限定的だったことから、関税政策に伴う経済への影響は想定を下回った可能性が高い。

加えて、人工知能(AI)ブームに伴うAI関連投資の拡大や、AI関連株を中心とした株高が資産効果を通じて高所得層の消費を押し上げ、景気を下支えした。

一方で、経済が比較的に堅調を維持する中でもトランプ大統領の支持率は就任当初から低下しており、経済運営や生活費運営に対する支持率も低迷している。

今年11月には中間選挙が予定されており、選挙戦は現政権に対する「信任投票」とみられる中で、経済・生活費を巡る評価の行方が一段と注目される。

本稿では、2期目のトランプ政権の主要な経済政策(関税、移民、財政)を整理したうえで、足元の景気・物価・雇用動向と政策効果を検証し、中間選挙を控えた今後の経済政策の見通しを論じている。