報復措置に“貿易バズーカ”…3つの対抗措置を検討
高柳光希キャスター:
トランプ大統領による関税に対して、ヨーロッパ諸国は対抗措置として具体的にどのようなことを考えているのでしょうか。
ロンドン支局 岡村佐枝子 支局長:
EUが検討しているとされるのは、主に3つあります。

▼「追加関税」の報復措置
これは17兆円規模とも言われていますが、対象となるのはボーイングの航空機や自動車、バーボンウイスキーなど、アメリカ産の製品で多岐にわたる可能性があります。これらは2025年7月の貿易協定の交渉時に、決裂した場合の対抗措置として準備し、取り下げたものです。
▼「貿易協定」最終手続き見送り
来週のヨーロッパ議会で採決が予定されていましたが、議会の委員から「現段階での承認は不可能」という意見が出ており、延期される可能性があります。
▼「ACI=反威圧措置」発動
最も注目されている“貿易バズーカ”とも呼ばれる強力な措置で、中国を念頭に、EUや加盟国が経済的威圧を受けた際の対抗措置として、2023年に発効しました。
関税の引き上げのみならず、幅広い対抗措置が想定されています。輸出入の制限の他にも、アメリカの企業がEU域内で事業を行うことを制限することもできます。

【ACI=反威圧措置】
・輸出入の制限
・公共事業の入札制限
・サービス貿易にかかわる措置
・知的財産権の保護、商業利用に制限
・銀行、保険など金融サービスに制限 など
専門家は、「IT企業などのテック企業の活動が制限可能となることで、トランプ大統領に近い人たちに打撃を与えられるというメッセージになる」と指摘しています。
ただ、威圧措置はこれまで発動されたことはなく、主な目的は抑止にあることから、「核オプション」とも見なされています。