(ブルームバーグ):欧州最大級の資産運用会社アリアンツ・グローバル・インベスターズ(AGI)の債券部門の最高投資責任者、マイケル・クラウツバーガー氏は、トランプ米大統領にグリーンランドの領有権主張を撤回させるよう圧力をかけるため、欧州の政策当局者が市場の混乱をあおるべきだと語った。
クラウツバーガー氏は「もし私が欧州諸国の政府顧問なら、市場に多少の変動を生み出す必要があると助言するだろう。トランプ氏は、おそらく他の政治家よりも、市場の変動を非常に気にかけているからだ」と述べた。AGIは、総額5800億ユーロ(約107兆4200億円)の資産を運用している。
クラウツバーガー氏は、金融の混乱を招くような報復措置は、トランプ氏に「面目を保つ妥協」を促す可能性があると指摘した。今週、「恐怖指数」として知られるボラティリティー指数(VIX)は上昇しているが、トランプ氏が昨年4月に各国への上乗せ関税を発表した際のピークにはまだほど遠い。
欧州首脳らは、安全保障問題を理由にデンマークにグリーンランドの譲渡を求めるトランプ氏の要求への対策を議論している。トランプ氏は20日、スイス・ダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス)会議で、この問題を巡り「さまざまな関係者」と会談すると述べた。
欧州がとり得る極端な対策としては、米国資産を保有する欧州のファンドに対し、売却するよう促す可能性もある。ベッセント米財務長官は20日、そのような動きは論理性を欠き「断固として同意しない」と発言した。
実際、デンマークの職域年金基金アカデミカーペンションの最高投資責任者(CIO)は20日、今月末までに米国債投資から撤退する計画を明かした。この報道を受け、米国債は一時的に下落したものの、同基金が保有する米国債はわずか1億ドル相当と、30兆ドル規模の市場のごく一部に過ぎず、この動きはすぐに収まった。
米国債の保有者が多数の投資家に分散しており、その多くが政府の直接管理下にない民間ファンドだ。欧州連合(EU)が協調してこうした行動を取る可能性について、クラウツバーガー氏は「調整が難しい手段だと思う。理論上の脅威は存在するが、非政府系のプレーヤーが多数存在する」と述べ、実現は難しいとの見方を示した。
原題:Allianz Exec Pushes EU to Pressure Trump With Market Volatility(抜粋)
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