(ブルームバーグ):米航空宇宙局(NASA)は17日、有人月探査計画「アルテミス」に使用するロケットの発射台への移送をフロリダ州のケネディ宇宙センターで開始した。米国と中国が競う月探査レースにおける重要な節目となる。
ボーイングの「スペース・ローンチ・システム(SLS)」ロケットと、ロッキード・マーチンの「オリオン」宇宙船を組立棟から発射場まで移送する工程が完了すれば、NASAは地上支援設備の接続や機器の試験、地上インフラの点検など、次の準備段階に入る。
約15年にわたり開発が続くSLSは、予算超過や計画遅延が続いている。これまでの打ち上げは、2022年に実施された無人試験飛行の1回にとどまり、同飛行では月周回を行った。1回当たりの打ち上げ費用は40億ドル(約6300億円)を超える。
トランプ大統領は今年度の予算案で、SLSについて「著しく高コストで遅延している」と指摘し、3回目の飛行後に段階的に廃止する方針を示していた。しかし、NASAのジョンソン宇宙センターがあるテキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員は、SLSに新たに41億ドルの費用を充てる法案を提出。同法案は、トランプ大統領が昨年7月に署名して成立した大型減税・歳出法案に盛り込まれた。
今回のロケット移送は、4人の宇宙飛行士を月周回飛行に送り、約10日間で地球に帰還させる「アルテミス2」ミッションの第一歩となる。当初は2024年後半の打ち上げを予定していた。
移送と発射台での点検を終えた後、NASAは1月下旬に、ロケットへの燃料注入を想定した「ウェット・ドレス・リハーサル(総合予行演習)」を実施する。この工程が順調に進まなければ、次の段階には進めない。
米国と中国はいずれも、人類を再び月に送り込むために巨額の投資を進めている。中国は2030年までに、初の有人月面着陸を目指している。
原題:NASA Readies Boeing-Lockheed Craft for Moon Race With China (1)(抜粋)
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