(ブルームバーグ):トランプ米大統領の包括的な関税措置を巡り、無効とする判断を連邦最高裁が先に下したことで、勝訴した原告側の中小企業のグループは、政府への還付請求プロセスを開始できるよう、下級審に法的手続きの再開を求めた。
原告側の弁護士は24日、トランプ氏の関税措置の大部分を違法とした昨年8月の判断を正式な判決として確定させるよう、首都ワシントンの連邦特別行政高裁に要請した。最高裁は20日、この判断を6対3の多数意見で支持した。
要請が実現すれば、係争はニューヨーク市にある米国際貿易裁判所に差し戻され、輸入業者に資金を還付すべきかどうかを含む今後の手続きが検討されることになる。このほか、中小企業グループの代理人の弁護士は24日、政権による関税措置の執行を差し止め、還付プロセスを開始させる新たな命令を出すよう、同裁判所に申し立てた。
中小企業側は、全米一律の命令を出すよう国際貿易裁判所に求めてはいない。一方で、関税を巡る全ての訴訟を併合し、「公平かつ迅速な解決を確保」するよう、裁判所が検討することも可能だとの見解も示した。
ブルームバーグ・ニュースの分析によると、これまでに1500件超の還付請求訴訟が提起されている。
政権側の司法省弁護士は昨年の裁判文書で、原告の中小企業が勝訴した場合には「利息を付して還付を確実に受け取ることになる」と国際貿易裁判所に説明していた。
中小企業の代理人の1人でリバティー・ジャスティス・センターの上級顧問弁護士兼訴訟部門責任者、ジェフリー・シュワブ氏はインタビューで、「私たちは政府に約束を守らせようとしている」と語った。
最高裁が関税訴訟の判断を発表後、トランプ氏は政府が還付に異議を唱える可能性を示唆。「恐らく訴訟で争われることになるだろう」と述べ、解決までに数年を要する可能性があるとの見方も示した。
輸入業者がこれまでに支払った関税は総額1700億ドル(約26兆4930億円)近くに上る。シュワブ氏は、大統領の発言で状況はやや不透明になったと指摘し、できる限り早急に国際貿易裁判所が明確な判断を示すよう期待していると述べた。
シュワブ氏は「司法省の弁護士がわれわれと協力し、円滑な手続きになることを望んでいる」と語った。司法省とホワイトハウスの報道官は、これまでのところコメント要請に応じていない。
最高裁で審理された案件の一つを提起した中小企業は、具体的な還付請求金額を明らかにしていない。代理人弁護士は24日、国際貿易裁判所に対し、本件で採用されるいかなる還付手続きも、請求を追求する他の企業に迅速な救済を提供するための「ひな型」となると説明した。
関税還付を求める訴訟の大半は、最高裁が昨年11月に口頭弁論を開いた後に輸入業者が提起した。国際貿易裁判所は、最高裁の判断が示されるまでこれらを全て保留としていた。司法省は今後の対応方針をまだ明らかにしていない。
一方、最高裁の判断を受け、トランプ氏は1974年通商法122条に基づき、新たな世界一律の関税を課す大統領布告に署名した。法曹関係者は、政権がこれらの関税についても法的な異議申し立てに直面する可能性が高いと予想している。
原題:Importers Launch Tariff Refund Process After Supreme Court Win(抜粋)
--取材協力:Catherine Lucey.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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