(ブルームバーグ):米国防総省は人工知能(AI)スタートアップの米アンソロピックに対し、27日までに政府の条件を受け入れなければ、冷戦時代に成立した法律を適用し、同社技術の提供を強制すると警告したことが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。
関係者によると、アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)とヘグセス米国防長官が24日に行った会談の中で、米政府側は一連の対抗措置を提示。アンソロピックを「サプライチェーンのリスク」に認定すると警告したほか、同社の同意がなくとも、「国防生産法(DPA)」を適用して同社のAIソフトウエアを使用する方針を伝えたという。
1950年制定のDPAでは、政府は安全保障上の理由で必要な製品・サービスの提供を米企業に強制できる。
今回の最後通告は、自社のAIツール「Claude(クロード)」の利用制限を求めるアンソロピックと、制限を不要とみなす国防総省との対立が激化していることを示している。国防総省が警告を実行に移せば、アンソロピックが同省と合意していた最大2億ドル(約310億円)規模の事業が白紙となる恐れがある。
関係者によれば、アモデイ氏は会談で、敵対勢力への自律的な標的設定や米市民の大規模監視に自社製品を使用しないことを条件として提示した。こうした事態は実際の現場ではまだ起きていないと強調したという。
アンソロピックは会談後の声明で「当社モデルが信頼性と責任を持って実行できる範囲内で、政府の安全保障上の責務を引き続き支援できるよう、利用規約について誠実な協議を続けている」と表明した。
関係者は事案の機密性を理由に匿名で語った。会談の内容については、ニュースサイトのアクシオスが先に報じていた。
アンソロピックは、AIによる致命的なリスクを避け、責任あるAI利用を重視する企業と自らを位置づけている。「Claude Gov」は米国の安全保障上の目的で開発したが、あくまで自社の倫理的な枠組みの範囲内で政府に提供することを目指している。
原題:US Warns Anthropic to Allow Unrestricted Use of AI by Military(抜粋)
--取材協力:Nick Wadhams.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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