ミャンマーできょう、軍事政権が主導する総選挙が始まり、軍のトップは「投票しない人は民主主義を理解していない」と強調しました。現地から中継です。

軍の関係者が多い首都ネピドーでは、市民が続々と投票所に訪れていますが、ほかの地域では投票をボイコットする人も多いようです。クーデターを強行し、民主派を排除した選挙で支配を正当化しようとする軍の姿勢に抵抗しているとみられます。

JNNはけさ、ネピドーにある軍事施設に入り、軍のトップが投票する様子を取材しました。

ミャンマー軍トップ ミン・アウン・フライン総司令官
「支持する候補に投票するだけで良い。選択肢はある。投票しない人は民主主義制度を十分に理解していない」

総司令官は「選択肢はある」と強調しましたが、電子投票機では軍に近い政党しか選択できず、白票を投じることもできないので、公正性が疑われます。

総選挙をめぐっては、ヨーロッパ諸国が「見せかけの民政移管だ」と批判し、国連も各国に承認しないよう緊急の声明を出しました。

ただ、国際社会の対応は分かれていて、中国やロシア、インドなどは選挙監視団を派遣、アメリカは「情勢は改善された」として選挙を暗に認めるかのような立場を示しています。

一方、内戦が続くなかでの選挙で治安情勢の悪化も懸念されます。

軍に反発する武装勢力がけさから国内各地で攻撃を仕掛け、民間人の死傷者も出ているとみられ、混乱が広がりそうです。