物価高が止まりません。今年値上げされた食品は2年ぶりに2万品目を超え、来年も値上げが常態化する見込みです。こうした中、風物詩の福袋の役割も変わりつつあるようです。

都内のデパートで、きょうから販売が始まったのは「年越し福袋」。カレーやスープなどのレトルト品に、手土産にもしやすいお菓子など、日持ちする食品を中心におよそ50種類を取り揃えました。

ただ、初売りの風物詩である福袋を、なぜ年末から売り出すのかというと…


「何でもかんでも高い。倍くらいになっているものもある」
「今年といえば、米が高いから本当に困った」

背景にあるのは物価高。いまや福袋は「新年の楽しみ」だけでなく、安くお得に買い物をして出費を抑える「生活防衛の手段」にもなりつつあります。

続く物価高。今年1年間で値上げされた食品や飲料は2万609品目にのぼりました。年間を通して2万品目を超えたのは2年ぶりです。

値上げの最も大きな要因が原材料価格の高騰。今年はチョコレートやコーヒー、果汁飲料などの価格が天候不順による不作の影響で跳ね上がりました。

また、コメ価格が過去最高値水準となる中、パックご飯やコメが原料の菓子も軒並み値上がりしました。

値上げの流れは来年も続く見通しで、年明けから3593品目の値上げが判明しています。

さらに、たまご価格も過去最高値となっています。12月の東京地区のたまごの平均卸売価格は、Mサイズ1キロあたり345円。去年より55円も高く、12月としては最も高くなっています。

根強く続く物価高に、それでも客足が途切れないのが、詰め放題を行っているこちらの直売所です。工場で魚を加工をする際に生じたサケのカマやハラスなどの切れ端や、年末年始のごちそう需要に合わせたタラバガニも割安で販売しています。


「何でも肉も魚も高くなっているが、少しでも得に買えるように」
「安いですね。家族の好きなものを買って、正月はゆっくり迎えたい」

物価高の波が私たちの年末年始の消費を変えようとしています。