スペインのサンチェス首相率いる社会労働党(PSOE)は、西部エストレマドゥーラ自治州の州議会選挙で大敗を喫した。21日投開票の同選挙は首相の元側近で党幹部でもあった人物を巡る性的ハラスメント疑惑の発覚後、初の試金石とされていた。

エストレマドゥーラ州政府のデータによると、同州議会(定数65)で国民党(PP)は開票がほぼ完了した時点で29議席、得票率43%を獲得した。2023年の28議席から増やした。一方、サンチェス首相のPSOEは2年前の28議席から大きく減らし、18議席にとどまった。

この結果、PPは23年と同じく、政権維持には連立相手が必要となる。23年は5議席を獲得した極右のボックス(VOX)と連立を組んだ。今回の選挙では、VOXの得票率が17%とほぼ倍増し、11議席を得た。

首相の支持率はここ数カ月、こうしたスキャンダルに加え、一般党員が関与した別の問題や、首相に近い人物を標的とした一連の汚職捜査が響き、低下している。

エストレマドゥーラ州の選挙は、27年に予定される総選挙まで続く一連の選挙の幕開けと受け止められている。PPが政権を握る他の3自治州でも6月までに選挙が予定されており、PSOEは厳しい情勢の中で守りの選挙戦を強いられる見通しだ。

サンチェス氏の兄弟や妻も、影響力を違法に行使した疑惑などを巡り司法調査の対象となっており、首相は極めて厳しい状況にある。政府はいずれの疑惑も否定している。

原題:Spain’s Sánchez Handed Loss in Regional Poll as Scandals Weigh(抜粋)

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