トランプ米大統領は19日、薬価引き下げで製薬会社9社と合意したと発表した。政権は輸入医薬品に対して新たな関税を用意しているが、価格引き下げを条件に、製品への関税適用が3年間猶予される。政権はこれまでも同様の条件で複数の製薬会社と合意してきた。

今回の合意により、今夏にトランプ氏の標的となった17社のうち14社が、メディケイド(低所得者向け医療保険)向けの薬価を引き下げるほか、割引価格の医薬品を消費者に直接販売し、今後米国で発売する新薬の価格を国外と同水準に設定することになる。

トランプ氏は、ホワイトハウスの大統領執務室でのイベントで「米国の薬価は迅速かつ力強く下がり、近く先進国の中でも特に低い水準となるだろう」と述べた。

今回政権と合意したのはロシュ・ホールディング傘下のジェネンテック、ノバルティス、ブリストル・マイヤーズスクイブ、ギリアド・サイエンシズ、ベーリンガーインゲルハイム、アムジェン、GSK、サノフィ、メルクの9社。今年に入りファイザーやアストラゼネカが結んだ合意と同様の内容だ。

一方、アッヴィ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、リジェネロン・ファーマシューティカルズの3社はまだ合意を発表していない。

ラトニック商務長官は、残る3社もホリデーシーズン明けに同様の合意を発表するとの見方を示した。

「これは医療に大きな影響をもたらすだろう」とトランプ氏は述べた。

米国の薬価は世界で最も高い水準にあり、これがトランプ氏の行動の原動力になっている。一方で製薬会社側は、高い薬価が研究開発を後押ししているほか、米国市場は他国とは仕組みが異なると主張している。

原題:Nine Drugmakers Strike Deals With Trump, More Coming Next Year(抜粋)

--取材協力:Courtney Subramanian.

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