米ナイキの9-11月(第2四半期)売上高は予想を上回ったが、中国事業と「コンバース」ブランドの低迷が続いていることが嫌気され、同社の株価は下落した。

18日の発表資料によると、第2四半期の「D2C(消費者直接取引)」部門の売上高は予想に届かず、コンバースの売上高は30%減少した。一方、全体の売上高は1%増の124億ドル(約1兆9300億円)とアナリスト予想の平均を上回った。

これを受け、同社の株価は時間外取引で売られ、一時は約10%安となった。年初からの下げ率は13%に達しており、4年連続安となる方向にある。

Photographer: Eva Marie Uzcategui/Bloomberg

今回の決算は、ナイキが着実な進展を見せる一方で、投資家がさらなる成果を強く求め、出遅れている部門への対応を切望していることを示している。同社は長期的な業績ガイダンスをいまだ発表しておらず、小売業者との関係再構築や、主要なスポーツおよび都市への注力といった業務の立て直しを模索している段階であることが浮き彫りとなった。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のシニアアナリスト、プーナム・ゴヤル氏は、D2C部門と「中国事業が期待外れであり、いつ軌道に戻るのか、さらなる説明が必要だ」と指摘した上で、「それ以外については堅調な結果だった」と述べた。

エリオット・ヒル最高経営責任者(CEO)ら同社幹部は、回復に向けた取り組みが「中盤戦」にあると表現。値引き販売や、需要を喚起できていない商品群で苦戦している中国事業の立て直しには、さらなる時間を要するとあらためて強調した。

ヒル氏は「われわれが成し遂げたことは始まりに過ぎず、より広範な変化を推進するために必要な水準やペースには達していない」と述べた。

ナイキは、コンバースの市場とブランドの再構築を優先事項として掲げてきた。コンバースは長年、「チャックテイラー」スニーカーに売り上げを依存してきたが、それ以外の分野で消費者の関心を高めることに苦戦している。

一方で、主要なランニングカテゴリーおよび北米市場では地歩を固めている。ヒル氏は今回の決算について、全体として「90日前に予想していたよりもやや良好だった」としながらも、「われわれのポテンシャルには到底及ばない状態だ」と強調した。

原題:Nike Falls After Projecting Sales Decline in Current Quarter(抜粋)

(CEOのコメントなどを追加して更新します)

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