(ブルームバーグ):SBI新生銀行が17日、東京証券取引所に上場して終値は公開価格比で12%高の1623円だった。ことし2番目の大型新規株式公開(IPO)で、公的資金を完済して再び上場を果たした。
初値は1586円と公開価格を9.4%上回った。一時16%高の1680円を付ける場面があった。公募と売り出しの合計額である市場吸収金額(IPO規模、オーバーアロットメント分を除く)は3219億円と、ことしの国内案件ではJX金属に次ぐ大きさとなった。2025年の国内IPO調達金額は現時点で1兆2500億円と、18年以来の規模に膨らんだ。終値で計算した時価総額は1兆4534億円。
三菱UFJアセットマネジメントの友利啓明エグゼクティブファンドマネジャーはSBI新生銀株について、同業の銀行株と比較すると「フェアバリューからややプレミアムが乗っている程度だ」と分析。今後は、SBIグループでの相乗効果がどこまで実績として確認できるかが株価動向を占う上で注目されると述べた。

SBI新生銀株は農林中央金庫や米投資会社のKKRが購入したほか、カタール投資庁やM&Gインベストメント・マネジメント、ブラックロックなどもIPOでの株式購入に関心を表明していた。
国内外での株式販売など案件全体を取り仕切るジョイント・グローバル・コーディネーターの一社である野村証券によると、IPO全体の応募倍率は10倍程度になった。一般投資家(リテール)は10倍程度、国内機関投資家は1桁後半、海外機関投資家は10倍程度の需要があったという。
ジョイント・グローバル・コーディネーターは他にSBI証券、みずほ証券、ゴールドマン・サックス証券、SMBC日興証券、BofA証券。
親会社のSBIホールディングスは7月、公的資金注入に伴い政府系機関が保有していたSBI新生銀の優先株式を取得、公的資金を完済した。SBI新生銀の前身である旧日本長期信用銀行は多額の不良債権を抱えて1998年に破綻、資本注入を受けて国有化され上場廃止となった。
その後米投資ファンドの下で新生銀行として再上場を果たしたが、株価上昇が条件となる公的資金の返済の仕組みが障害となり、一部を除き返済が滞っていた。このため、公的資金の完済を目的にSBIHDが株式の公開買い付け(TOB)を23年に実施してSBI新生銀をいったん非上場化した。
これについて海外投資家らが買い取り価格が低過ぎるとし、公正価格の決定を求めて東京地裁に申し立てを行っていたことが明らかになった。裁判所の判断によってはSBI新生銀が支払いを命じられる可能性がある。
また、アクティビスト(物言う投資家)の野村絢氏や村上世彰氏の関連ファンドであるエスグラントコーポレーションが、TOB価格よりも高い価格でSBI新生銀株を売却していたほか、野村氏がSBI新生銀の上場に伴い最大で100億円をSBIHDから受け取ることも明らかになっている。
(終値で更新します)
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