(ブルームバーグ):フジ・メディア・ホールディングスは15日、株主である野村絢氏から大規模買い付け行為等趣旨説明書を受領したと発表した。野村氏は、不動産事業の再編などの要求が通らなければ、関連会社のレノなどと最大33.3%まで株式を買い増す意向があると明らかにした。
不動産事業の完全売却やスピンオフ、または株主資本配当率(DOE)4%を下限とする株主還元方針を公表した場合には買い増しを行わない。フジHDの公表資料によると、7月時点でレノや野村氏らは15.06%分を保有しているという。
フジHDは7月に、村上氏らが同社株を買い集めていることを受け、大規模買い付け行為に対する対応方針を導入すると発表。株主総会(株主意思確認総会)の承認が得られた場合、既存の株主に新株予約権を無償で割り当てなど、対抗措置を発動できる。フジHDは、この対応方針に基づき、15日から5営業日以内に買付者らに対し検討に必要な情報を求めるとした。
フジHDを巡っては、元タレントの中居正広氏が起こした女性への性暴力問題をきっかけに、物言う株主(アクティビスト)などからの外圧が高まった。6月に開いた定時株主総会では、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツの株主提案は否決されたものの、不動産事業の売却要望は依然としてくすぶっている。
フジHDの清水賢治社長は6月のインタビューで、メディア・コンテンツ事業の強化には数年かかるとして不動産事業は当面必要だとの見方を示していた。
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