中国による日本への渡航自粛を呼びかけからまもなく1か月です。日中関係の緊張が続く中、中国の人々は日本に対し、どのような印象を抱いているのか聞いてみました。
中国外務省 郭嘉昆 報道官
「日本では最近、相次いで地震が発生し、多くの人が負傷している」
きのう、「地震」を理由に日本への渡航を控えるよう再び呼びかけた中国政府。高市総理の台湾有事をめぐる国会答弁に反発し、先月14日にも渡航自粛を呼びかけていて、これを徹底させる狙いがあるものとみられます。
しかし、けさ、北京首都国際空港では…
記者
「日本行きの航空便のチェックイン手続きが行われています。多くの人が並んでいます」
いつもと変わらず、日系航空会社のカウンターは混雑していました。
日本へ向かう中国人
「そんなに心配していません。無事に日本に到着できれば」
「心配です。必要なければ行かない方が良いかと」
こうした中、今、問題となっているのが航空券の「強制キャンセル」です。
日本に滞在中 中国人留学生
「朝電話で、旅行会社から『航空会社により、航空券がキャンセルされた』と言われました」
この男性は帰省するため、購入した航空券がキャンセルになったといいます。「強制キャンセル」は中国の航空会社が日本とを結ぶ航空便を相次いで運休にしているためで、今月は40%を超える1900便以上が運休になったということです。
日本に滞在中 中国人留学生
「政治的な関係を市民の往来に持ち込むべきではないと思います」
中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射問題などもあり、緊張が続く日本と中国。
一方、アメリカはこの対立から距離を置く構えです。
ホワイトハウス レビット報道官
「トランプ大統領は日本との強固な同盟関係を維持しつつ、中国とも良好な協力関係を築ける立場にあるべきだと考えている」
ホワイトハウスの報道官によりますと、トランプ大統領は日中両国と良好な関係を持つべきだとの考えを示しているということです。
では、中国の市民は現在、日本に対し、どのような印象を持っているのでしょうか。北京の人々に聞いてみると…
北京市民
「(関係悪化は)必然的な流れだと思いますが、中日関係は緊張が緩和してほしいです」
「(戦時中)祖父が日本人に連行され、二度と戻りませんでした。だから私は、日本人を憎んでおり、友好的な感情は一切持てません」
きょう、日本では「今年を表す漢字」が発表されましたが、中国で「今の日中関係を表す漢字」を聞くと、両国の未来に向けた字を書く人もいました。
『願』と書いた女性
「双方の国民が求めているのは、幸せで楽しい、質の高い生活です。誰も摩擦や対立なんか望んでいませんよ」
日中間の緊張は、いったいいつまで続くのでしょうか。
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