京都大学の北川進さんとともにノーベル化学賞を受賞したオマー・ヤギー教授がJNNの単独インタビューに応じ、「多様性こそが革新を生む」と語りました。

ノーベル化学賞 オマー・ヤギーさん
「私はヨルダンのアンマンで、10人兄弟の難民の家庭で育ちました。家には水道も電気もありませんでした」

京都大学の北川進さんとともに、無数の細かい穴があいた「金属有機構造体」の開発でノーベル化学賞を受賞したオマー・ヤギーさん。

ヤギーさんの両親は、パレスチナからヨルダンに逃れた難民です。貧しい環境で育ったヤギーさんですが、10代でアメリカに渡り、教育を受けたことから、研究人生がスタートしました。

アメリカの教育に感謝していると述べた一方で、アメリカをはじめ、今の学術界を取り巻く世界の排他的な潮流に危機感を示しました。

ノーベル化学賞 オマー・ヤギーさん
「私たちは、イノベーションには多様な才能が混ざり合うことが不可欠だと分かっているし、信じてもいるのに、その反対の行動をしています」

そのうえで、ヤギーさんは「多様性こそが革新を生む」として次のように語りました。

ノーベル化学賞 オマー・ヤギーさん
「どんな背景を持っていようと、どの国で暮らしていようと、彼らにチャンスを与えることが大切です。世界には多くの“オマー少年”がいるかもしれませんので」