(ブルームバーグ):スペースXが来年、見込み通りの評価額で新規株式公開(IPO)に成功した場合、世界一の富豪であるイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の資産は、現在の4606億ドル(約72兆円)から2倍以上に膨らむ可能性がある。
ブルームバーグ・ビリオネア指数の推計によると、マスク氏が保有するとみられる約42%のスペースX株の価値は、IPOにより現在の1360億ドルから6250億ドル以上にはね上がることになる。この推計には、電気自動車(EV)大手のテスラなど、マスク氏傘下の複数企業が保有する数十億ドル規模の持ち分は含まれていない。
ブルームバーグの試算によると、スペースXが1兆5000億ドルの上場前評価額で上場した場合、マスク氏の総資産は現在より約4910億ドル増え、計9520億ドルに達する見通しだ。
この上場は、マスク氏が初のトリリオネア(保有資産1兆ドル以上の富豪)となるための新たな道筋となる。すでにマスク氏はテスラで11月、史上初となる1兆ドルの報酬パッケージが確定した。
野心的
テスラ経由であれ、スペースX経由であれ、マスク氏がトリリオネアになる道のりは、決して平たんではない。
テスラでは、マスク氏の報酬パッケージは、事前に決めた業績目標を同社が達成した場合にのみ権利が確定する。その中には、テスラの時価総額を現在の約1兆5000億ドルから8兆5000億ドルにまで拡大させることや、同社のEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)を、昨年の130億ドル未満から4000億ドルに引き上げるといった野心的な目標もある。
一方、マスク氏がCEOを務めるスペースXの上場において、仮に評価額が1兆5000億ドルとなれば、2019年にサウジアラムコが記録した上場時評価額1兆7000億ドルに匹敵することになる。アラムコは、上場前年に約3600億ドルの売上高を計上していた。ブルームバーグによると、スペースXの今年の売上高見通しは約150億ドルにとどまる。
それでも、スペースXは評価額の急成長と旺盛な投資家需要で知られる。同社はロケットを開発し、衛星インターネットサービス「スターリンク」を展開しており、現在進めている内部関係者による約20億ドル規模の株式の売却では、評価額が8000億ドル超となっている。
仮にテスラやスペースX経由でのトリリオネア達成がうまくいかなくても、マスク氏には人工知能(AI)スタートアップのxAIというもう一つの道もある。xAIは今年9月、評価額2000億ドルに達している。
原題:Musk’s Fortune Would More Than Double on $1.5 Trillion SpaceX(抜粋)
--取材協力:Dylan Sloan.
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