タイとカンボジアの国境地帯で両軍の衝突がさらに拡大する懸念が高まっています。

タイ軍の空爆攻撃などを受けたカンボジア側は「反撃開始」を宣言、和平合意は“事実上崩壊した”と報じられています。

タイとカンボジアの国境地帯では、両軍の戦闘が続いているとみられ、タイ軍は8日、カンボジアからの攻撃を制圧するためだとしてカンボジア領内を空爆しています。

カンボジア政府は9日、タイ軍による攻撃で「民間人7人が死亡し、20人が負傷した」と明らかにしました。

一方、タイ側でも兵士3人が死亡したほか、民間人が住む家屋に砲弾が直撃するなどの被害も出ているということです。

こうした中、タイ海軍は9日、自国の領内からカンボジア軍を排除する軍事作戦を開始したと発表。陸軍も「カンボジアの軍事力を長期的に無力化する」と強調しました。

これに対し、カンボジアのフン・セン前首相は、「領土を守るために反撃を開始した」と宣言していて、両軍の衝突がさらに拡大する懸念が高まっています。

タイのアヌティン首相は「もはや対話の余地はない」と強硬な姿勢をみせていて、タイメディアは、アメリカのトランプ大統領の仲介で結ばれた和平合意が“事実上崩壊した”と報じています。