(ブルームバーグ):ルビオ米国務長官は8日、バイデン前政権下の2021年に発足した米英豪の安全保障枠組みAUKUS(オーカス)について、トランプ政権が正式に承認したと発表した。同枠組みには豪州への原子力潜水艦の売却が含まれている。
ルビオ氏はヘグセス米国防長官や豪州側の閣僚との会合で、「大統領の指示の下、AUKUSを全力で推進する」と表明した。
出席したウォン豪外相もこうした見方を共有。ルビオ氏は8日午後にクーパー英外相とも会談する。
国防総省は先週、トランプ大統領の政策方針と合致するか確認するため、指示されていたAUKUSの検証作業が終了したことを明らかにしていた。
アジアにおける中国の軍事的影響力に豪州が対抗することを支援する目的で結ばれたAUKUSは、第2次トランプ政権の発足後、存続が不透明となっていた。検証の開始で、AUKUSが頓挫するのではないかとの懸念が英豪で広がっていた。
AUKUSは2部構成で、一つの柱がバージニア級原潜の取得に向けた豪州への支援。もう一つは人工知能(AI)や量子コンピューティング、極超音速技術、自律型システムに関する技術共有を目的としていた。第2次トランプ政権で、バイデン前政権の取り組みが残るのは異例だ。
米シンクタンク、ハドソン研究所でシニアフェローを務めるブライアン・クラーク氏は、豪州が原潜を運用し、原子力推進プログラムを確立・運営できるかどうかを巡り、トランプ政権が疑念を持っていたことが検証の一因だと分析。
米英は定期的に潜水艦を豪州に派遣し、豪海軍要員が訓練を受けてきたが、「どこかの時点で、豪州は購入を正式に決断しなければならない」とクラーク氏は指摘。規制面・管理面の体制を整える必要があると述べた。
原題:US Will Proceed With Aukus Security Partnership, Rubio Says (1)(抜粋)
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