真冬に起きた“想定外”の事態です。山口県宇部市の広い範囲で都市ガスが漏れ、少なくとも22か所で火災が起こりました。2次被害を避けるため、約1万2500件でガスの供給がストップ。学校やレストラン、美容室でお湯や暖房が使えなくなるなど影響が続いています。
山口・宇部市でガス漏れ 都市ガスの供給停止で生活に影響

山口県宇部市にあるイタリアン食堂。店主が作っていたのは、店の定番メニュー「サーモンのペペロンチーノ」。ただ、いつもとは勝手が違うようです。

サンマルノ 丸野光洋 店長
「火力が弱い…。お店のゆで麺機とガスコンロが使えない」
調理に使っていたのはカセットコンロ。4日突如、ガスが使えなくなったためです。
サンマルノ 丸野光洋 店長
「ガスオーブンで調理しているクレームブリュレやカヌレは作れない。お客さんに迷惑を掛けている。明日明後日は予約が多数あるので困ったなと」
その要因となったのは、4日未明、宇部市の広い範囲で発生したガス漏れです。少なくとも22か所で、建物火災が発生。

こちらの住宅では、コンロを使おうとしたところ、ガスが勢いよく出て、火が燃え広がったといいます。
火災被害にあった男性
「ガスの元栓の辺りから燃え上がった。ガスの元栓を閉めているのにずっと燃え続けた」
消防によると、2人がやけどなどの軽傷を負ったということです。
2次被害防止のため、1万2500件でガスの供給が停止されました。

そのため小学校では、ガスで動くエアコンが使えなくなり、子どもたちが楽しみにしていた給食は調理ができなくなったため、非常用のカレーに変更。

美容室ではお湯が出なくなり、髪染めの薬剤が洗い流せなくなる事態に。そのため、プロパンガスを使っている美容室へ移動。何とか流すことができました。

ブロンズ美容室 オーナー 三好里美さん
「幸い、近くの美容師さんが快くシャンプー台を貸してくれると」
こちらは、市内に住む女性の自宅。お湯が使えないため、お風呂をためることができません。皿洗いは、ポットのお湯を活用して、つけ置き洗いでしのいでいました。
住民
「初めての経験だが、ガスのありがたさが身に染みます」