28日の金取引は乱高下している。米国の政府閉鎖が終了した矢先、米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシステム障害が、市場の新たな頭痛の種となっている。

システム障害は数時間に及び、ロンドン市場での金価格のエクスポージャーのヘッジとしてよく利用されるニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物・オプションを始め、市場全体の取引に影響した。リアルタイムの取引や価格の情報が得られなくなると、主要取引拠点であるロンドンのスポット価格とのかい離が生じ、取引が困難になる。

障害の問題が浮上する中、金は一時0.9%上昇したが、乱高下する相場で上げ幅を縮小した。市場では買い気配と売り気配の価格差(スプレッド)が一時的に拡大する場面も見られた。

 

サクソ銀行のストラテジスト、オーレ・ハンセン氏は「貴金属トレーダーは先物を利用して現物市場の取引を相殺またはヘッジするため、現物市場と先物市場は密接に関連している。そのルートが機能停止すると、スプレッド拡大と取引減少を通じ、現物市場も打撃を受ける」と指摘した。米国では感謝祭の連休で元々閑散となる日だったことも、状況を悪化させたという。

COMEXの取引が影響を受けたことから、一部のトレーダーはエクスポージャーをヘッジするため、28日はブローカーやディーラーに電話するという昔ながらの方法に戻ったと明かした。外国為替や貴金属の取引で広く使われている電子取引プラットフォームEBSも、CMEの障害の影響を受けた。

金取引の買い気配と売り気配のスプレッドは、一時1オンス=20ドルを大きく上回る水準まで急騰した後、下落した。このスプレッドは、平時は1オンス=約1ドルで、市場の流動性が低下した時や極端な変動が生じた時期に拡大する傾向がある。

ロンドン時間午後0時30分時点で、金現物は0.4%高の1オンス=4174.86ドルで取引されている。

原題:Gold Gets Choppy as CME Outage Gives Traders Another Headache(抜粋)

(詳細を追加し更新します)

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