(ブルームバーグ):来週の円相場は上昇基調となりそうだ。米国利下げの織り込みが進む中、ドルの上値が重く、円は支えられる見通し。日本銀行の早期利上げの可能性を探る上で植田和男日銀総裁の講演にも注目が集まる。
◎三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長
- 米利下げの織り込みをにらみながらドル・円は上値の重い展開と予想する
- ポジション繰りを見ると、データが出ている10月中旬まで円ロング(買い持ち)が減っていたが、その後158円手前までドル・円が上昇した水準で円ショート(売り持ち)が作られ、今週は利食いモードに入っている
- 特段の円安材料が出ない限り、ドル売りが続くとみる
- 予想レンジは1ドル=154-158円
◎三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト
- 植田日銀総裁の講演が注目で、利上げについてどう考えているかをにらんだ相場展開となるだろう。今までのスタンスが変わらなければ、円安圧力は続くとみる
- 米連邦準備制度理事会(FRB)はブラックアウト期間に入り、12月の利下げ期待は固まりつつある。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げは既定路線でも、利下げバイアスを残すとみられ、ドル安圧力は残るだろう
- 予想レンジは1ドル=154円50銭-158円50銭
主な予定
- 1日:植田日銀総裁が名古屋市での金融経済懇談会で講演、記者会見
- 1日:7-9月期の法人企業統計
- 3日:11月の米ADP雇用統計
- 5日:9月の米個人消費支出(PCE)価格指数
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