(ブルームバーグ):12月第1週(1-5日)の債券市場では長期金利に上昇圧力がかかりそうだ。財政悪化懸念がくすぶる中で10年と30年の国債入札や、日本銀行の早期利上げに対する警戒感から売り優勢の展開が予想されている。
市場参加者の見方
◎三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャー
- 長期金利は上昇基調となりそうだ
- 日銀の植田和男総裁の講演は早期利上げに向けてどのような見解を示すか注目される。決め打ちということにはならないと思うが、12月会合のライブ感は強まるとみる
- 財政悪化懸念が根強く、利回り曲線のフラット(平たん)化の持続は難しい。10年債と30年債の入札をこなしながら金利水準が切り上がる展開になりそうだ
- 新発10年債利回り予想レンジ1.795-1.88%
◎みずほ証券の大森翔央輝チーフ・デスク・ストラテジスト
- 10年債入札に向けた調整で数ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利回り上昇となりそうだ。30年債入札は根強い財政懸念から警戒感が強く、相場の重しになる
- 米経済指標が総じて強めとなる場合は、米金利上昇とドル高を通じて円安方向の反応が先行し、国内金利は上昇圧力を受けやすい
- 植田総裁から中立金利への接近などに関する言及があれば、中期ゾーン中心にタームプレミアムを調整し得る
- 新発10年債利回り予想レンジ1.75-1.90%
国債入札
日銀買い入れ
日銀は11月28日午後5時に12月の国債買い入れ日程を公表する予定
主な材料
- 1日:7-9月期の法人企業統計
- 1日:植田日銀総裁が名古屋市での金融経済懇談会で講演し、その後記者会見を行う
- 1日:日銀債券市場サーベイ(11月調査)
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