南米コロンビアのアンデス山脈地域で治安が悪化する中、最高品質のコーヒーを生産する農園が武装強盗や恐喝の標的となっている。

南西部ナリーニョ州とカウカ州の被害が特に深刻だと、コーヒー生産者連盟のゲルマン・バハモン会長は述べた。

スターバックスとネスレは共に同地域から高級豆を調達している。この地域の標高の高さと、ミネラル豊富な火山性土壌が通好みの酸味を生んでいる。

コロンビアの農園でのコーヒー豆の収穫

バハモン氏は犯罪の横行を「コーヒーさび病」に例えた。コーヒーさび病とは葉に感染する真菌によるもので、多くの農家が苦しめられてきた。同氏は26日、ボゴタで記者団に「すべてのコーヒー産地が恐喝と農産物の窃盗という災厄に苦しんでいる」と述べ、「恐喝は、コロンビアの農村の新たなコーヒーさび病だ」と指摘した。

治安の悪化は、記録的な価格や数十年ぶりの高生産量に沸く同国のコーヒー産業に水を差している。バハモン氏によれば、太平洋岸のブエナベントゥラ港から輸出しようとする業者の中には、警察の護衛付きでトラックを隊列走行させざるを得ないケースも出ている。

コロンビアのペトロ大統領は2022年の就任以来、ゲリラや麻薬密売組織の私設武装集団との交渉を通じて「全面和平」を目指してきたが、これまでのところ大規模な武装解除にはつながっていない。こうした組織は軍事的圧力の低下を利用して勢力を拡大しており、その結果、恐喝や誘拐、テロ行為が増加している。

原題:Gangs Target Colombia Coffee Region Prized by Starbucks, Nestle(抜粋)

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