(ブルームバーグ):高市早苗首相は26日午後、就任後初の党首討論で、自身の台湾有事を巡る国会答弁について、存立危機事態を認定する事例を「具体的に言及したいとは思わなかった」と述べた。
立憲民主党の野田佳彦代表の質問に答えた。高市首相は先日の国会では具体的な事例を挙げて質問されたことから、「その範囲で私は誠実にお答えした」と釈明。政府の公式見解としては「実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府が全ての情報を総合して判断する」とし、「それ以上でもそれ以下でもない」と語った。
7日の衆院予算委員会で、高市首相は台湾有事への対応を問われ、戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、存立危機事態になりうるケースだと考えると答弁していた。その後、撤回を要求する中国との関係が悪化。党首討論では発言に至った経緯を説明し、政府の公式見解を継承する考えを明確にした。
中国とは戦略的互恵関係を構築していく方針を堅持しているとし、対話を通じて良好な関係をつくることが「私の責任だ」とも述べた。
日台は「非政府間の実務関係として維持」しているとし、台湾の法的地位に関しては「認定する立場にはない」と語った。
野田氏は党首討論後に記者団に対し、高市氏が答弁で「あまり具体例を言わなくなったということは事実上の撤回をしたと受け止めた」と話した。
ただ、党首討論を受けて中国が日本への態度を軟化させるかは不透明だ。毛寧外務省報道官は26日、「中国の態度は明確だ。日本に対し誤った発言を撤回し、中国への政治的なコミットメントを履行するよう厳しく求める」と述べた。日本が「一つの中国」原則を維持しているかを確認したいとも語った。
経済対策
減税などの効果を含め、昨年度を上回る21兆3000億円規模となった経済対策に関しても議論した。高市首相は放漫財政と指摘されるような経済対策を組んだつもりはないと発言。「成長する経済を作らなければ財政は健全化しない」との立場を改めて示した。
「何より大事にしているのは財政の持続可能性」だとし、債務残高対国内総生産(GDP)比を引き下げ、金利の状況なども見ながら経済成長と両立をさせていく考えを示した。
円安傾向が続く為替市場の動向について「私の立場で申し上げることはない」とした上で、投機的な動きなどを見ながら「日本国政府としては必要な手だてを講じる」と述べた。
政権誕生後の「高市円安」が物価高を助長するとの野田氏の指摘に対しては、「高市円安かどうかはわからない」とした上で、国債金利や為替など市場の動きを「しっかりと注視する」と述べた。
党首討論では野田氏のほか、国民民主党の玉木雄一郎代表、公明党の斉藤鉄夫代表、参政党の神谷宗幣代表が高市首相に質問した。参政は初、公明は旧民主党政権下の2012年11月以来の討論参加だった。
他の首相発言
- トラスショックが起こるような状況にはない-日本経済
- 非核三原則を政策上の方針として堅持
- スパイ防止関連法制、今年検討を開始し、速やかに法案を策定
(立憲民主党の野田代表や中国外務省報道官の発言などを追加し、更新しました)
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