耳が聞こえない、聞こえにくいアスリートの国際大会「東京デフリンピック」。声援が聞こえない選手のために作られたのが「見せる応援」、サインエールです。“音”が前提の社会で壁を感じていた耳が聞こえない人たちが中心となり、挑戦したその舞台に密着しました。
“見える応援”「サインエール」

“音の無い世界”で、ほとばしる熱気。選手の動きにあわせて、無数の手が宙を舞います。
会場 太鼓の音
「どんどんどん…」
これは「サインエール」。声ではなく“身体の動き”で想いを届ける、新しい応援のかたちです。

観客席から“エール”を送っていたのは、垣内美音さん(24)。垣内さんも、生まれつき耳がほとんど聞こえません。
普段はアパレル関連の企業で働きながら、今回、サインエールの開発にも携わってきました。
きっかけは、中学・高校で打ち込んだ陸上競技。
垣内美音さん(手話)
「すごい顔してる。800メートルですね」

練習に励む日々は充実していました。しかし、試合になると、どこか満たされない思いもあったといいます。