ルビオ米国務長官は23日、ウクライナとロシアの和平案を巡り、ウクライナの支持を27日までに取り付けるというトランプ大統領が先に提示した期限は確固としたものではなく、翌週にずれ込む可能性があると明らかにした。まだ多くの課題が残っていることを示唆した。

和平案を巡り23日にスイスのジュネーブで行われた米国とウクライナの協議を受け、ルビオ氏はこうした慎重な姿勢を示した。双方は、この協議が合意に向けて前進していると説明している。

いかなる合意もウクライナのゼレンスキー大統領に加え、トランプ氏とロシアのプーチン大統領の承認を必要とする。協議には米側からルビオ氏やドリスコル米陸軍長官、ウィトコフ特使らが参加した。

ルビオ氏はジュネーブで記者団に対し、「この問題に関して、恐らくこれまでで最も生産的な1日だった」としながらも、「まだ作業は残っている。これは進行中のプロセスであるため、ここで勝利や最終的な結論を宣言したくはない」と述べた。

ホワイトハウスの共同声明によると、双方は「更新され、精緻化された和平の枠組み」を策定し、「今後数日間で共同提案に関する集中的な作業を続けることで合意した」という。ルビオ氏もホワイトハウスも、協議でどのような進展があったのか具体的な内容は明らかにしていない。

ウクライナのイェルマーク大統領府長官は、午前の記者会見でルビオ氏と同席したが、午後の記者会見には姿を見せなかった。

ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)への投稿動画で、「戦争集結に向けた措置が効果的であり、全て実現可能であるよう万全を期すことが重要だ」と、同様に慎重な姿勢を表明した。

さらに、「外交が再び活発になっているのは良いことだ。われわれには国家としての立場があり、ウクライナの尊厳がある。それを損なうことなく、むしろ強化する形で進まなければならない」とゼレンスキー氏は話した。

トランプ氏はこの日、ソーシャルメディアへの投稿でウクライナの指導部に対し、「われわれの努力に対して全く感謝の意を示していない」と非難していた。

これに対しゼレンスキー氏はX上で、ウクライナは「米国に感謝している。トランプ大統領個人にも感謝している」と米国の支援に謝意を示した。

事情に詳しい関係者2人によると、米政府当局者はウクライナとロシアの戦争終結に向けた28項目の和平案について、交渉の土台としてウクライナに受け入れを迫っており、同国政府がこれに関する声明を出すことを求めている。

ウクライナ当局者は同日これより先に、欧州の国家安全保障担当顧問らと話し合った。米国は現在、ウクライナと欧州の当局者が同席する会議に難色を示していると、関係者は述べた。非公開の情報だとして匿名を条件に語った。

関係者の1人によれば、米国はウクライナに対し、和平案作成に自国が関わったことを証明するよう求めた。同案の策定にはロシアが大きく関与したことが分かっている。

ウクライナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記は「われわれの提案は現時点で最終決定されていないが、ウクライナにとっての優先事項が多く含まれている」とXに投稿した。

原題:Rubio Sees Ukraine Deadline Easing After ‘Productive’ Talks (1)、US Is Pressuring Ukraine to Move Forward With Peace Proposal(抜粋)

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