世界の株式相場が、7カ月ぶりの大幅な週ベース下落に向かっている。高止まりする株価バリュエーションへの懸念や、人工知能(AI)関連の巨額投資が実際に成果を上げるのかという不安が広がり、投資家がリスク資産から手を引いている。

投資家が市場の最も投機的な分野からの撤退を拡大する中、ビットコインは一時8万2000ドルを下回った。史上最高値から30%超の下げを拡大している。

MSCIオールカントリー・ワールド指数は、トランプ米大統領の関税政策が市場を揺さぶった4月4日終了週以来で最も大きな週次下落となる方向だ。欧州とアジアの株式は21日、前日の米市場の流れを引き継いで下落。こちらも週ベースで4月以来最大の下落に向かっている。

S&P500種株価指数とナスダック100種の先物は市場心理が脆弱(ぜいじゃく)なまま方向感のない展開。

AI関連銘柄の代表格であるエヌビディア株は20日、強気な業績見通しにもかかわらず3.2%下落した。21日の米市場開場前の取引では1%超下落。

投資家は、世界の株式市場からさらにどれだけの価値が消失するかを議論している。バリュエーションの割高感や、ハイテク分野での巨額支出への警戒感に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通し後退への不安も根強い。

マグナス・ファイナンシャル・ディスクリーショナリー・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、ローリー・マクファーソン氏は「今年のハイテク株上昇後の合理的な売り圧力だ」とした上で「市場はまだ売られ過ぎ状態ではないため、さらに下落する可能性もある。連邦公開市場委員会(FOMC)次回会合での政策見通しが絶対的な鍵となる」と述べた。

 

原題:Stocks Drift in Fragile Trade as Bitcoin Slumps: Markets Wrap、Stocks Set for Worst Week Since April on AI Rout: Markets Wrap(抜粋)

(ビットコインやエヌビディアの数字を更新しコメントを追加します)

--取材協力:Winnie Hsu、Abhishek Vishnoi、Joanna Ossinger.

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