米ボストン連銀のコリンズ総裁は、インフレがしばらく高止まりする可能性が高いとし、政策金利を据え置くことが「当面は適切」になるとの考えを示した。

労働市場については、冷え込みつつあるようだとしつつ、急速なペースというわけではないと指摘した。

コリンズ総裁は、ボストン連銀の年次経済会議に合わせて収録されたブルームバーグのポッドキャスト番組、オッド・ロッツで「労働市場が目立って悪化している証拠を目にした場合は、それを極めて深刻に受け止め、近いうちの追加緩和を正当化し得るだろう」としつつ、「失業面で顕著な変化は見られていない」と付け加えた。

その上で、米連邦公開市場委員会(FOMC)の現行政策は「労働市場に関するそうしたリスクと、インフレに関連する継続的なリスクとのバランスを取っている」と説明した。

米連邦準備制度理事会(FRB)では、インフレ率が当局目標の2%をなお1ポイント上回る水準にとどまる中で追加利下げに慎重な姿勢を示す当局者が増えており、コリンズ総裁もその1人となっている。

米経済専門局CNBCとの21日のインタビューでは、コリンズ総裁は9月の雇用統計について、労働市場に対する自身の見通しが大きく変化することはなかったと発言。雇用増加分の大半がヘルスケアや娯楽など一部分野に集中していたためだという。

コリンズ氏は「軽度に景気抑制的な政策は現時点で非常に適切だと考えており、よって次にどのような政策対応を取るべきかを考える際には慎重にならざるを得ない」と語った。

オッド・ロッズでは、今年2回連続で0.25ポイントの利下げを実施した後、フェデラルファンド(FF)金利は中立スタンスに「ずっと近づいている」と語った。

総裁はまた、関税の影響が経済全体に浸透すれば、物価上昇圧力は徐々に和らぐとの楽観的な見方を示唆した。

「インフレは年内から来年初めにかけて高止まりする可能性が高いと思われる」としつつ、「一度水準が調整されれば、それ以上の影響は生じないが、そのプロセスには時間がかかる」とコリンズ氏は述べた。

原題:Fed’s Collins Signals Current Rates ‘Appropriate for Now’ (1)(抜粋)

(CNBCとのインタビューでの発言を追加し、更新します)

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