(ブルームバーグ):9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を上回る伸びとなった。ただ、8月分は減少へと下方修正された。失業率も前月に比べて上昇し、さまざまな要因が交錯する不安定な労働市場の姿が浮き彫りとなった。
失業率はおよそ4年ぶりの高水準となった。労働市場に参加する人が増えているという前向きな動きとともに、職を失う人が増加している厳しい現実も映している。
今回の統計は、米労働市場が政府閉鎖前に不均衡な状態にあったことを示唆している。9月以前の雇用統計は、採用も解雇も低水準という環境下で雇用の伸び鈍化を示していた。
しかし足元では、企業によるレイオフ発表が相次ぎ、雇用不安が高まる状況にある。
業種別に見ると、雇用者数の伸びが顕著だったのはヘルスケアや娯楽・ホスピタリティー。一方、製造業や運輸・倉庫、ビジネスサービスでは減少した。民間部門の雇用者数は9万7000人増と5カ月ぶりの大きな伸びで、市場予想も上回った。
オックスフォード・エコノミクスの首席エコノミスト、ナンシー・バンデンホウテン氏は「9月雇用統計は過去の状況を示すものかもしれないが、労働市場が政府閉鎖前に崩壊状態にあったわけではないとの安心材料を提供した」とリポートで指摘。
「連邦準備制度理事会(FRB)は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの当社予想を変更する根拠は、今回のデータには見当たらない」と述べた。
統計発表後、米国債利回りは低下した。ドル指数は前日終値を挟んで上昇と下落を繰り返す不安定な動き。円は対ドルでマイナス圏を維持しながら、下げをやや縮小する場面もあった。
この日別途発表された先週の米新規失業保険申請件数は減少し、3週間ぶりの低水準となった。
9月の雇用統計は10月3日に公表予定だったが、政府閉鎖の影響で発表が遅れていた。ただ、発表元の労働統計局(BLS)は10月1日に閉鎖が始まる前にデータ集計を終えていたため、再開後早めに発表された。
BLSは19日、10月の雇用統計を発表しないことを明らかにした。当初は11月7日に公表を予定していた。10月分の雇用者数データは、12月16日に発表予定の11月分に組み込む方針だとしている。
次回のFOMC会合は12月9、10日なので、FOMC前の雇用統計発表は今回の9月分が最後となる。
労働参加率
労働参加率は62.4%と、4カ月ぶりの高水準。女性が押し上げ要因となった。25-54歳の「働き盛り世代」は1年ぶりの高水準を維持した。
経済的な理由によりパートタイム勤務を余儀なくされた人の数は1年ぶりの大幅減。長期失業者の割合も低下した。一方、職を恒久的に失った人の数は2021年後半以来の高水準に増加した。
ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン、クリス・コリンズ、イライザ・ウィンガー各氏は「9月の非農業部門雇用者数の堅調な伸びは、12月FOMC会合での利下げ論拠を後押しするものではない。失業率の上昇が一部で注目されるかもしれないが、雇用創出の弱さというより労働参加率の上昇によるものだ」と分析した。
平均時給は前月比0.2%増加(市場予想0.3%増)と、6月以来の低い伸びにとどまった。前年同月比では3.8%増(同3.7%増)。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Added 119,000 Jobs in September, Unemployment Rate Rose (5)(抜粋)
(統計の詳細やエコノミストの見方を追加して更新します)
--取材協力:Julia Fanzeres、Chris Middleton、Molly Smith.
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