(ブルームバーグ):ケネディ米厚生長官は、ワクチンに含まれるアルミニウム化合物が食物アレルギーの増加に関係している可能性があると示唆し、ワクチンでのアルミニウム化合物使用をあらためて批判した。
ケネディ氏は17日、首都ワシントンで開かれた食物アレルギーに関する会議で、この関連性を裏づける科学的根拠はないと認めながらも、小児用ワクチンにアルミニウム塩アジュバント(免疫補助剤)を導入した時期と、食物アレルギー増加のタイミングが「完全に一致」していると述べ、この免疫補助剤の影響について研究を進めるべきだと主張した。
さらに、農薬や超加工食品も食物アレルギーの要因の可能性があると述べたが、具体的な証拠は示さなかった。
米疾病対策センター(CDC)は免疫補助剤として使用されるアルミニウム塩について、「ワクチン向けに数十年にわたり安全に使用されてきた」との見解を示している。
それでもケネディ氏を含む政府高官は数カ月前から、アルミニウム塩の使用を批判してきた。トランプ大統領は9月、ワクチンへのアルミニウム塩の使用を禁止する意向を示した。その1カ月後、CDCの諮問委員会は、小児用ワクチンに含まれる2種類のアルミニウム塩がぜんそくのリスクを高める可能性について調査を検討していると文書で示した。同委の12月会合の議題案には「免疫補助剤と不純物」が盛り込まれている。
アルミニウム塩を含むワクチンを製造しているのは英GSKや米メルク、ファイザー、仏サノフィなど。ポリオやB型肝炎、A型肝炎、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ジフテリア、破傷風、百日ぜき、髄膜炎、肺炎などの予防に使われている。
CDCは、ワクチン由来のアルミニウム塩暴露とぜんそくリスクが関連している可能性を示した2022年の観察研究を引用し、「さらなる検証が必要」としている。一方で、デンマークの公衆衛生当局が23年に実施した大規模研究では、アルミニウム塩とぜんそくの関連性は確認されなかった。ケネディ氏はこの研究結果を掲載した医学誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」に撤回を要求したが、編集部は拒否した。
ケネディ氏はこれまでもワクチン中のアルミニウム塩がうつ病や不安障害、アレルギー、アルツハイマー病などさまざまな疾患の原因だと主張してきた。
原題:RFK Jr. Tries to Tie Aluminum in Vaccines to Food Allergies(抜粋)
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