(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官は、トランプ大統領が提案する関税「配当」としての2000ドル(約31万円)の現金給付について、議会の承認が必要になるとの見解を示した。
ベッセント氏は16日のFOXニュースの番組で「それには立法措置が必要だ」と述べた。
トランプ大統領は今年、生活費高騰に対する国民の不満が高まる中、現金給付案に言及している。大統領は14日、大統領専用機「エアフォースワン」内で記者団に対し、この給付金は「富裕層を除く全ての人」に来年中に支払われることになるだろうと語った。
同氏は「大きな金額になる」と述べた。「だが関税から多額の収入を得ている。関税があるから配当を出せるのだ」と語り、「同時に債務削減にも取り組む」と付け加えた。
この計画の費用は、2025年の関税収入見通しの2倍に達するとの試算もある。超党派の財政監視団体「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」は、この配当がコロナ禍の現金給付と同様の仕組みで実施された場合、費用は暫定で6000億ドルに上ると試算している。
9月までの2025会計年度の純関税収入は1950億ドル。多くのエコノミストは25年暦年では3000億ドル前後と予測している。
ベッセント長官は、今年成立したトランプ政権の目玉政策である減税法案を踏まえ、米国民が来年初めには経済的な恩恵を感じ始めるとの見通しを示した。「第1、第2四半期にはインフレ率の低下と実質所得の大幅な加速が見られると予想している」と述べた。
原題:Bessent Says Trump’s $2,000 Checks Would Need Congressional Vote(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.