ニデックの岸田光哉社長兼最高経営責任者(CEO)は14日、不適切会計疑惑問題について、株主や投資家に深く「お詫びする」と謝罪した。岸田氏が9月3日に第三者委員会を設置してから公の場で話すのは初めて。

ニデックは同日、4-9月期(上期)の営業利益は前年同期比83%減の211億円だったと発表した。車載事業の営業損益は828億円の赤字(前年同期は196億円の黒字)に転落したことなどが足を引っ張った。

ニデックは6月に表面化したイタリア子会社の関税支払いを巡る問題などを調査する影響で、4-6月期(第1四半期)の決算短信提出が遅れ、業績速報値のみの開示にとどまっていた。今期(2026年3月期)の業績予想は引き続き未定とした。

上期に車載事業で契約損失引当金や減損損失として681億円を計上した。家電・商業・産業用事業でも、仕入先からの求償請求案件での和解に伴い、195億円の求償債務を計上。これらの影響で第1四半期の利益見通しは速報値から大幅に悪化した。

不適切会計の疑いでニデックは第三者委員会の調査を受けているほか、監査法人のPwCジャパンから前期の有価証券報告書について意見不表明とされた。東京証券取引所から特別注意銘柄に指定され、日経平均株価の構成銘柄からも除外されるなど市場の視線が厳しさを増している。ニデックによると、PwCジャパンは今期の半期報告書の要約中間連結財務諸表について、結論を表明しなかった。

ニデックの中川一夫副最高財務責任者(CFO)は14日の会見で、キャッシュの創出力は健全に維持していると述べた。

ニデックは内部管理体制などの問題を改善するための計画を策定することも発表した。12月中旬にも日本取引所自主規制法人にドラフトを提出。1月下旬にも開示を予定する。

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