(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)ビットコインが10万ドルの大台を割り込み、そこからさらに深く沈んだ。新たなリスク回避の動きとハイテク株売りで米金融市場に不安が広がっている。
ビットコインは13日、一時3.9%安の9万7956ドルに下げた。下げが加速しており、10月上旬以降で4500億ドル(約70兆円)超相当が吹き飛んだ計算だ。これまで市場を支えてきた大口投資ファンドや上場投資信託(ETF)運用者、企業の財務部門といった安定的な買い手が距離を置いている。今年の上昇のけん引役が姿を消し、市場の脆弱(ぜいじゃく)性が新たな段階に入っている。
10xリサーチのアナリストは、暗号資産市場が明確な弱気局面に入ったと指摘。ETFの資金流入減少や長期保有者の売却継続、個人投資家の参加の鈍さを挙げた。同社モデルは10月半ば時点で潮目の変化を示していたが、現在は市場内部のセンチメント悪化を示唆している。次の重要な節目は9万3000ドルという。
ウィンターミュートのOTC(相対)取引責任者ジェイク・オストロフスキス氏は「ビットコインは既に現物の大量売りや企業のヘッジ取引で下押し圧力を受けており、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産の総称)はほぼ敬遠されている」と分析。「暗号資産特有の材料が乏しくなると、伝統的資産との相関が強まる。それがこの日の動きだ」と話した。
世界市場全体でボラティリティーが再び高まっている。米政府機関の一部閉鎖終結に伴う安心感で今週の米国株は上昇する場面もあったが、その勢いは失われた。主要経済指標の発表が遅れており、米連邦準備制度が近い将来に利下げを正当化できるかを市場は見極めようとしており、暗号資産やハイテク株など成長資産には新たな圧力がかかっている。
原題:Bitcoin Sinks Deeper Below $100,000 as Bear Market Grips Crypto(抜粋)
--取材協力:Olga Kharif、Muyao Shen.
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