ロシアのプーチン大統領は、米シティグループに対し、国内の銀行事業を売却することを認める大統領令に署名した。

ロシア政府が12日に公表した大統領令によると、プーチン氏はルネサンス・キャピタルによるシティの事業部門の買収を許可した。大統領令には売却に関する詳細は記載されていない。

プーチン氏は今年に入り、ゴールドマン・サックス・グループによるバルチュグ・キャピタルへのロシア事業売却を承認。この数週間前には、ナティクシスにロシア事業の売却を認めたばかりだった。

シティの広報担当者はロシア大統領府の発表を確認したうえで、規制当局からの追加承認を待つ必要があると説明した。ルネサンス・キャピタルの担当者はコメントを控えた。

プーチン大統領は、2022年2月のウクライナ侵攻後、西側諸国の企業が相次ぎロシアから撤退する動きに対し、いわゆる「非友好国」の居住者が関与する全ての取引について政府の特別委員会による承認を義務付ける大統領令を出した。同委員会は、ロシア撤退を申請する企業に対し、資産価値の大幅な減額や国家予算への拠出など、厳しい条件を課している。

この結果、ロシアによるウクライナ侵攻から3年以上が経過した現在も、撤退を公に表明しながらロシアで大規模な事業部門を維持している欧米の金融機関が存在している。

シティは数年前からロシアでの機関投資家向け銀行サービスをほぼすべて停止し、個人・法人向け銀行業務の閉鎖を進めている。それでも、監督当局への届け出によれば、9月時点でロシアに関連するエクスポージャーは135億ドル(約2兆円)に上った。前年の同時点では91億ドルだった。主に7-9月(第3四半期)に顧客が受け取った企業配当が影響した。

ルネサンス・キャピタはロシアで最も古い投資銀行の一つで、ソ連崩壊後の民営化に伴い、多くの企業のロンドンおよびモスクワ上場を支援したことで名声を高めた。

原題:Putin Allows Citi to Sell Russia Unit to Renaissance Capital (1)

(抜粋)

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