(ブルームバーグ):台湾の林佳竜外交部長(外相)は12日、外交的手段として、半導体輸出規制の適用可能性を検討していると明らかにした。台湾は今秋、南アフリカに対し一時的な輸出規制を発動しようとした経緯があり、こうした手段を完全には放棄していないもようだ。
林氏は、台北でのブリーフィングで「当然、こうした措置は使わずに済むことを望むが、相手国がわれわれの利益を損なう場合、対応せざるを得ない。確かに検討中の選択肢の一つだが、必ずしも全てが実施されるわけではない」と述べた。
南アフリカ以外の国々も対象となるかを問われ、林氏は明確な回答を避けた。また、台湾が半導体を武器化することを望んでいないと強調した。
台湾は9月、南アフリカに対する半導体輸出規制を発動すると発表したものの、発動を待たず、2日後に停止した。重要技術の輸出を外交的対立の武器として使うことに、抵抗感を示した格好だ。
ブルームバーグは先日、台湾が検討する半導体規制は、外交目標達成に向けて経済・貿易政策を積極的に活用する戦略の一環で、当局は他の非友好国に対しても同様の措置の導入を検討していると報じた。ただ、人工知能(AI)ブームの中核をなす先端半導体チップを製造する台湾積体電路製造(TSMC)など、企業への影響が考えられるとして、当局はこの手法に懸念を抱いているようだ。
中国は、台湾が半導体規制を強化しようとする動きに、最も影響を受ける市場の一つだ。台湾が南アフリカに対する規制を導入しようとした当時も、取り組みを批判した。
中国外務省は、林氏の発言に関するコメント要請に今のところ応じていない。
原題:Taiwan Says It Is Assessing the Future Use of Chip Export Curbs(抜粋)
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