トランプ米大統領は関税の「配当」として、国民が1人当たり少なくとも2000ドル(約30万7000円)を受け取る可能性があると主張した。ベッセント財務長官はこれについて、トランプ政権の経済政策の柱となる法律に基づき、減税措置を通じて実現する可能性があるとの考えを示した。

トランプ氏はソーシャルメディアで9日、関税に反対する人たちをあざけり、「1人当たり少なくとも2000ドルの配当が(高所得層を除く)全員に支払われることになる」と述べた。ベッセント長官はABCの番組でこの内容について問われた。

同長官はこの件について大統領と話してはいないとした上で、「2000ドルの配当は多くの形で、多くの方法で実現する可能性がある」と発言。トランプ政権が掲げるチップや残業代への課税廃止案などを挙げ、「減税の形で実現するかもしれない」と語った。

連邦最高裁は5日、トランプ氏が1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて大規模関税を課したことの合憲性を巡る訴訟で口頭弁論を開いた。数人の判事が政権の主張に懐疑的見解を示したことで、1000億ドル余りの返還が政権に命じられる可能性がある。

トランプ氏は最高裁が自身に不利な判断を下せば、米国にとって「災難だ」と述べている。

同氏は9日、米国は「数兆ドルを得ており、37兆ドルに上る巨額債務の返済を近く開始する」と投稿し、関税の意義を訴えた。

ベッセント長官はこれについてABCの番組で質問され、「向こう数年間で数兆ドルの歳入を得ることができるかもしれない」と発言。「しかし、関税の真の目的は貿易の不均衡を是正し、より公正なものにすることだ」と話した。

またベッセント氏は、政府機関の一部閉鎖が長期化していることを巡って、政府機関が再開されるまで民主党と交渉するつもりはないと述べた。

原題:Bessent Says Trump’s $2,000 ‘Dividend’ May Come Via Tax Cuts、*BESSENT: WE WON’T NEGOTIATE WITH DEMOCRATS UNTIL GOVT REOPENS(抜粋)

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