今年の銀行ボーナス支給で最大の勝ち組となるのは株式トレーダーで、前年比14%近く増加する見通しだ。人材紹介会社オプションズ・グループの新たなリポートで明らかになった。

同リポートによると、株式トレーダーのボーナスは10年ぶりの高水準となる見込み。一方、債券トレーダーの平均増加率は世界全体でわずか2.9%にとどまる。また、投資銀行バンカーのボーナスは約12%増と、こちらも過去10年で最高水準となる見通しだ。

オプションズ・グループのマイケル・カープ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「株式部門と投資銀行部門が明確な勝者だ」と指摘。「銀行は従業員にしっかり報いる必要があるという事実を強く意識している」とし、「米国で事業拡大を狙うプライベートエクイティー(PE)やプライベートクレジット、さらに中堅・小規模・新興の金融機関などによる人材引き抜き圧力」に注意を払う必要があると続けた。

今回のリポートは、ニューヨーク州のディナポリ会計監査官が先月示した予測とも一致する。同氏はウォール街のボーナス総額が今年は過去最高となると予想し、ニューヨーク証券取引所に加盟する130社の1-6月(上期)利益が年間で過去最高となる見込みだと指摘していた。

米国では、トランプ大統領の関税戦争や景気下降懸念を巡る不透明感で市場のボラティリティーが高まったことを背景に、株式トレーダーが恩恵を受けた。モルガン・スタンレーの株式トレーディング収入は7-9月(第3四半期)に35%増の41億2000万ドル(約6300億円)に達し、同四半期として過去最高を記録した。

原題:Equity Traders Seen Grabbing This Year’s Biggest Bonus Hikes(抜粋)

--取材協力:Todd Gillespie.

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