(ブルームバーグ):欧州の航空機メーカー、エアバスは、年末に向け急ピッチの生産を要する野心的な航空機納入目標を維持している。防衛・宇宙部門の好調な業績を背景に、同社の7ー9月(第3四半期)決算は堅調な内容となった。
エアバスは29日の決算発表で、9月までの納入が507機にとどまっているにもかかわらず、通年で約820機を顧客に引き渡す見通しを示した。この見通しには関税の影響も織り込まれている。
同社はエンジン不足のため、完成済み「A320」型機を駐機したままにせざるを得ない状況だ。ギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は、9月末時点でエンジン未搭載の「グライダー」と呼ばれる状態の完成機が32機に上ったと同日の電話会見で説明した。
フォーリCEOは「複雑で変化の激しい事業環境の中で、納入は依然として年後半に偏っている」と指摘。エンジン関連の課題は緩和しつつあり、残るタービン関連のボトルネック解消に向け、航空・防衛大手RTX傘下のプラット・アンド・ホイットニー(P&W)や、航空機エンジンメーカーのCFMインターナショナルと協力して取り組んでいるという。
エアバスは6月末時点でグライダーを約60機抱えていた。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、エアバスの7ー9月期の売上高は178億ユーロ(約3兆1600億円)と、アナリスト予想の175億ユーロをわずかに上回った。調整後EBIT(利払い・税引き前利益)も19億ユーロと市場予想以上だった。
エアバスの米国預託証券(ADR)は一時4.9%上昇。決算発表は、欧州市場の取引終了後に行われた。
原題:Airbus Keeps Yearly Delivery Target Amid Supply Chain Woes (1)(抜粋)
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