米メディア大手パラマウント・スカイダンスは29日、20億ドル(約3050億円)のコスト削減を目指す取り組みの一環として1000人の人員削減に着手した。今後、さらなる人員整理が行われる見込みだ。

パラマウントによる従業員向けの通知文書をブルームバーグが確認した。同社は8月にパラマウント・グローバルとスカイダンス・メディアの合併で誕生した。

スカイダンス・メディアの創業者で合併後にパラマウントの最高経営責任者(CEO)に就任したデービッド・エリソン氏は、パラマウントの経営権取得を目指す計画の初期段階からコスト削減を目標に掲げていた。同氏率いる新経営陣は経費の削減を迅速に完了させる意向を示している。エリソン氏は経営権取得時の書簡で、コスト削減規模は目標の20億ドルを「大幅に上回る」と確信していると述べていた。

地上波のCBSやケーブル局のMTV、ニコロデオンなどを傘下に持つパラマウントはケーブルネットワークの番組制作削減や、中南米の不動産・テレビ局の売却も検討している。地上波・ケーブルテレビ局が視聴者と広告収入をストリーミングに奪われる中、パラマウントのオンライン事業は黒字ながら、Netflixやウォルト・ディズニーなどの競合企業ほどの加入者数はない。

エリソン氏はまた、事業再編に向けコンテンツの買収を積極的に進めている。8月には総額77億ドルで総合格闘技UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)の米独占放映権を取得したほか、今月にはニュースサイト「フリープレス」を買収し、創業者のバリ・ワイス氏をCBSニュース編集長に指名した。

エリソン氏は同業のワーナー・ブラザース・ディスカバリーにも関心を示し、買収案を提示したが拒否されている。

原題:Paramount Begins New Round of Layoffs After Skydance Merger(抜粋)

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