(ブルームバーグ):米マイクロソフトが29日発表した7-9月(第1四半期)決算では、支出が急増し、アナリスト予想を上回った。人工知能(AI)インフラを提供するコストの高さに懸念が強まった。
データセンター関連支出の指標である設備投資はリースを含めて349億ドル(約5兆3000億円)。前四半期の240億ドルから大幅に拡大した。
サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は発表資料で「資本・人材の両面でAIへの投資を拡大し、今後の巨大な機会に対応する」と述べた。
7-9月期の全体の売上高は前年同期比18%増の777億ドル。1株当たり利益は3.72ドルとなった。アナリスト予想平均はそれぞれ756億ドル、3.68ドルだった。
市場が注目するクラウドコンピューティング事業「Azure(アジュール)」は、為替変動の影響を調整したベースで39%の増収。市場予想は37%の増収だった。
バークレイズのアナリスト、レイモ・レンショー氏は伸び率は「健全」としつつも、一部の強気な投資家の期待にはやや届かなかったと指摘した。ブルームバーグが継続調査するアナリストのうち、1人を除く全員が投資判断を「買い」にしていた。

マイクロソフトの株価は時間外取引で約3%下落。ニューヨーク時間の29日終値は541.55ドルで、今年に入り約29%上昇していた。
ビジネスアプリケーションを含む部門の売上高は17%増の330億ドルと、アナリスト予想平均の323億ドルを上回った。AI機能を搭載した上位ソフトウエアに顧客がアップグレードしたことで、ユーザー1人当たりの売上高が増加したという。
マイクロソフトのインベスター・リレーションズ (IR)担当チーフ、ジョナサン・ニールソン氏はインタビューで、設備投資の急増は顧客需要への対応であり、同社は依然として需要に追いつけていない状況だと述べた。設備投資はサーバーなど短期資産と、データセンター建設など長期資産でほぼ半々だったとした。
原題:Microsoft Reports Spike in Data Center Spending; Shares Slip (1)(抜粋)
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