日本最大の発電事業者であるJERAは、カタールとの間で、数十年にわたる液化天然ガス(LNG)の調達契約を締結する見通しだ。両国間で縮小してきたLNG取引が転換点を迎える。

報道対応の権限がないことから匿名を条件に語った事情をよく知る関係者によると、JERAはカタール国営エネルギー企業のカタール・エナジーから年間約300万トンのLNGを購入する予定で、この合意は早ければ今週中にも発表される可能性がある。

JERAとカタール・エナジーのコメントは現時点で得られていない。

ブルームバーグNEFのデータによると、日本企業がカタールとLNG購入契約を結ぶのは10年超ぶりとなる。JERAは2021年に、カタールとの大規模契約が期限を迎えた際、更新しない判断を下したが、数年にわたりカタールと交渉を続けてきた。

カタールとの契約は業界でも極めて厳格で、LNG輸入が不要になった場合でも、簡単に転売したり他国に回したりすることはできない。

そのため日本のエネルギー大手は、LNGの調達先の分散だけでなく、より条件が柔軟な契約を志向し、カタール以外の国に目を向けていた。

かねて都市ガス事業者の業界団体からは、第三者への転売を制限する「仕向け地条項」が付いた長期契約で調達するのは難しいという声が上がり、政府に制限撤廃の働きかけを求めていた。

ブルームバーグが船舶追跡データを基に集計したところ、カタールから日本へのLNG供給量は昨年約330万トンと、17年の約1000万トンから大きく落ち込んだ。財務省の貿易統計によれば、25年のLNG輸入量は約6500万トンで、カタールが占める割合は約5%だった。

一方でカタールは、大規模な増産計画を進めており、30年までに輸出能力を1億4200万トンへとほぼ倍増させる計画で、顧客の確保が欠かせない。今回の合意はカタールにとって追い風となる。

--取材協力:小田翔子、稲島剛史.

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