(ブルームバーグ):米スターバックスが進めている中国事業のパートナー探しで、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社の博裕資本が最有力候補に浮上した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。スターバックスは米国に次ぐ主要市場である中国で業績立て直しを図っている。
関係者によると、博裕資本は中国事業の過半数株式取得に向け、カーライル・グループを含む他のPE投資会社を上回る額を提示した。この取引で中国事業の評価額は40億ドル(約6100億円)強となる可能性があるという。
関係者は、スターバックスと博裕資本が今後、条件交渉を進めて数カ月で最終合意に達する可能性があるが、交渉が最終合意につながる保証はないと述べた。また、インターネット企業などがリミテッド・パートナー(有限責任出資者)として共同出資する可能性があると、非公開情報を理由に匿名で語った。
スターバックスの広報担当者は「複数の有力パートナーが極めて強い関心を寄せており、いずれも当社と同じく、中国事業の長期的な成長可能性を確信している」と述べた。現在、5件の提案を検討中だとしたが、博裕資本が先行しているかどうかについては言及を避けた。
博裕資本にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。カーライルはコメントを控えた。
28日の米株式市場でスターバックス株は2.1%安で取引を終えた。
別の関係者は、ロイヤルティー収入を含めた場合、中国事業の評価額は100億ドルを超える可能性があると述べた。
ブルームバーグは8月、スターバックスが中国事業への出資者を募るプロセスの第2ラウンドに博裕資本やカーライル、EQT、ファウンテンベスト・パートナーズ、KKR、ヒルハウス・インベストメント、プリマベーラ・キャピタルなどのPE投資会社のほか、JDドットコム(京東)やテンセント・ホールディングス(騰訊)の参加を要請したと報じていた。
博裕資本のウェブサイトによると、2011年にケイマン諸島で設立された同社は未公開株や上場株、不動産、インフラ分野などに投資している。
スターバックスは1999年に中国初の店舗を北京に開設。現在は中国本土の250余りの都市に約7800店舗を展開している。同社のブライアン・ニコル最高経営責任者(CEO)は、将来的に中国事業が2万店舗に拡大する可能性があるとしているが、瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)などの現地ブランドとの競争が激化している。
原題:Starbucks Is Said to See Boyu as Frontrunner for China Unit (2)(抜粋)
--取材協力:Pei Li、Shelly Banjo、Daniela Wei.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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